はじめに
突然ですが、念願のSwitchを手に入れました!しかも最新の有機ELモデル!
普段はSteamでPCゲームを楽しんでいる私ですが、Switch購入をきっかけに前から気になってるゲームを漁り始めました。
その中で「ゼルダの伝説 夢をみる島」を先日クリアしたので、今回はこちらについて感想や考察をまとめていきます。先に言うと、本記事は物語の核心に触れるので、ネタバレ注意です。
良かった点
少年リンクが可愛い
最近のリンクはイケメンのイメージ強いですが、本作のリンクはゼル伝シリーズ初期の子供っぽい感じが全面的に出てます。おかげでどこか懐かしく、童心に帰って冒険の旅が楽しめました!
特に、名前に対する徹底っぷりは最早本作の様式美ですらありますw
楽しい冒険を予感させる島の雰囲気と、それをひっくり返す衝撃の展開
本作は、他任天堂作品からのゲストキャラクターやパロディがふんだんに盛り込まれている点が特徴です。マリオシリーズを中心に「星のカービィ」、マイナーどころで「シムシティー」や「カエルの為に鐘は鳴る」といった作品からゲスト出演しています。オリジナルのGB版は1993年発売と、実はスマブラより先に任天堂ゲーム同士のコラボレーションを実現しており、この点は大変珍しいと言えます。こういった思わぬ出会いは、冒険を楽しく演出してくれるでしょう。
加えて、Switch版ではジオラマ感のあるデフォルメ3Dグラフィックで世界が構成されており、この点も楽しい島の雰囲気作りを後押ししてくれます。
・・・と楽しい冒険もつかの間、物語の中盤で、リンク(=プレイヤー)は衝撃の真実を突きつけられます。なんと、物語の舞台であるコホリント島が、 「かぜのさかな」の見る夢の存在であるというのです。リンクの旅の目的は「かぜのさかな」を目覚めることで島から脱出することですが、「島からの脱出=島や住民達の消滅」を意味することになるのです。この点がプレイヤーを悩ませ、勧善懲悪になり得ない奥深いストーリーを演出してくれているのです。他ゼルダシリーズと一線を画す点と言えるでしょう。
オリジナルのGB版からストーリーの改変自体行われていない様で、このシンプルながら衝撃的で印象に残るストーリーには、長年の人気も納得と思わされました。
気軽にサクサク進められる
本作は、「神々のトライフォース」に代表される様なthe 2Dゼルダです。新しいアイテムを見つけて行動範囲を少しずつ広がっていくのがとにかく楽しい!アイテムもダンジョン毎にすぐ見つかるので、とにかくサクサク進みます。戦闘はシンプル、謎解きも、程よくなので気分転換に遊ぶには最適なゲームだと思います。(私はレベル7 オオワシの塔の謎解きと、ラスボスの倒し方に少し行き詰まったくらい。それ以外はサクサクで死亡回数も0でした。)
気になった点
ボリュームとやりこみ要素は少ない
本作はオリジナル版の忠実なリメイクを実現できていると言えます。なので、追加シナリオ等はありません。昨今ありがちな「マリン復活EDを追加!」とか言われてもあのEDの後じゃ正直蛇足なので、この点は英断とも言えます。
また、やりこみも「ハートのかけら・ヒミツの貝殻・クレーンゲームのフィギュア集め」「辛口モードに挑戦」くらいしかないです。参考までに私のプレイ時間は、「ハートのかけら・ヒミツの貝殻・クレーンゲームのフィギュア集め」も含めたノーマルモード一周で15-20時間程度です。
定価5,980円(税別)の作品としては正直ボリュームは少なく、あっさりです。ただし、グラフィックや世界観・遊びやすさはピカイチなので密度の高い冒険を楽しめるのは間違いないです。
アイテムが揃うまではできることが少ない
これはよかった点の裏返しでもありますが、最序盤はできることがとにかく少ないです。何せ初期アイテムが盾だけですしね。。。
随所にジャンプ・石投げ・爆弾・泳ぎ・フックショットで道が開ける箇所が散りばめられているのですが、アイテムがないことでその先に進めないのがとにかくもどかしい・・・!
反面、 それらのアイテムを獲得した時に明確に世界を広げることができ、そのもどかしさがカタルシスを得るプロセスに昇華されている、と捉えられなくもないと思いますw
アイコンが微妙
前項に関連した内容です。本作もブレスオブザワイルドの様に地図上にアイコンを設置できるんですが、そのマークが正直微妙・・・。
アイテム獲得後に戻ってくる用途で使いたくても、アイテムとマークが直感的に結びつかないのであまり役に立ちません。とりあえずマーキングはしておくけど、戻ってみてもまだ該当アイテムを獲得してなかった、と言うケースが何回かありました。
この点は正直適当と思わざるを得なく、明確な改善が求められる箇所ですね。
考察
夢だからこそ実現できたゲストキャラ達の出演?
真相を知った上で島の世界観を考えてみると、この世界観が本来のゼルダシリーズではあり得ないものだということに改めて気付きました。これは言い換えれば現実では起こり得ないことが本作では起きているんですね。ある意味、この世界観自体が真相の伏線と言えたのかもしれません。
これを逆手にとって、本来あり得ないゲストキャラを出演させることで「楽しいながらも、少し違和感を覚る」世界観を目指していたのでしょう。そう考えると、納得の演出に思えてきます。
夢と現実の境界線
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ここからはSwitch版に限った話かもしれませんが、本作のストーリーには明確な境界線があります。それは、OP・EDの2Dアニメーションです。本作の構成は、以下の様になっています。
- ゲーム起動直後、OPの2Dアニメーションが流れる。
- OPの途中で、デフォルメ3Dのグラフィックに切り替わる。
- その後、タイトル画面からゲームプレイ画面は一貫して デフォルメ3D。
- ラスボス撃破後、かぜのさかなが目覚めて島が消滅する演出の直後、EDの2Dアニメーションが流れる。
この様に、デフォルメ3Dのグラフィックが、OP・EDの2Dアニメーションに挟まれてるんです。これは「2Dアニメーションの世界がリンクにとっての現実で、デフォルメ3Dの世界は全て夢である」ことを示唆している様に思えました。
何気ない演出に深い意味が含まれている点に、リメイクにおけるこだわりを感じざるを得ません。
おわりに
その深い世界観に途中から感情が揺さぶられ、クリア後には達成感の中にも少しの物悲しさの混ざっていました。この切ない余韻が語り継がれてきたことで、本作が今も名作として人々の心に残っているのでしょう。
GB版、GBC版、そしてSwitch版とオリジナル含め3機種で発売されている本作ですが、Switch版はかなり遊びやすくアレンジされているので、私の様な初見の方でもきっと楽しめることと思います。過去にプレイしたことがある方も、是非この機会にSwitch版をプレイしてみてください!
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