はじめに
先日発表されたニンダイでシレン6のDLC、およびコッパとアスカのプレイアブル化が発表されました。
この2人の組み合わせと言えば、6のあるシーンを思い浮かべる人も多いはず。本記事ではシレンシリーズ最大の謎と思われるコッパの秘密について、真剣に考察してみようと思います。
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前提のおさらい
考察の前に、まずは前提のおさらいから。
コッパとは
主人公を差し置いてシリーズ全作品に登場している、シレンの相棒かつシリーズのマスコット。人語を話す「語りイタチ」と呼ばれる希少種である。
実は、シリーズの中で年齢に一切触れられていない。
ちなみに、3の過去世界によると先祖はタヌキだった。
シリーズの時系列
シレンシリーズの各作品を古い順に時系列で並べ、シレンとアスカの年齢列を追加すると以下の通り。
登場する場合は、年齢を赤字とする。
シリーズ作品 | シレン年齢 | アスカ年齢 | 経過年数 |
---|---|---|---|
シレン2 | 10 | 13 | 0 |
シレン外伝 アスカ見参 | 11 | 14 | +1 |
初代シレン(=シレンDS) | 18 | 21 | +8 |
シレンGB 月影村の怪物 | 19 | 22 | +9 |
シレン6 | 19 | 22 | +9 |
シレン4 | 19 | 22 | +9 |
シレンGB2(=シレンDS2) | 19 | 22 | +9 |
シレン5 | 20 | 23 | +10 |
シレン3 | 21 | 24 | +11 |
コッパの謎
上記前提を踏まえて、シリーズ全作品に登場するコッパの謎を追ってみよう。
謎1. シレンとコッパのコンビ期間が一致しない
記念すべき一作目初代シレンのオープニングで「コンビを組んで、はや半年。」と言及されている。
片や、時系列上一番最初のシレン2からシレンとコッパはコンビを組んでおり、そこから最低8年経過している。
では初代シレンの設定が間違っていたり、2が後付け設定なのかというと、そういうわけではない。2の後に発売された初代リメイクのシレンDSでも同じテキストが存在するため、決して没設定ではない様だ。
ちなみに、同じく初代初出の設定で「シレンの三度笠と縞合羽は、友の形見」がある。
シレン2でその設定を彷彿とさせるシーンが登場することから、2開発時点でスタッフも初代設定を意識していることが窺える。
謎2. 子供時代の仲間と面識がない
以下、シレン2&外伝(=アスカ外伝)を子供時代、それ以外の作品を青年時代と呼ぶ。
共通で仲間になるキャラはアスカ、マーモの2人(1人と1棹?)だけであるが、両者には奇妙な共通点がある。これは偶然だろうか?
2-1. アスカの場合
一番記憶に新しいのは、やはり6のアスカ初登場シーンだろう。
アスカがシレンとコッパのことを明確に覚えていたのに対し、少なくともコッパはアスカを一切覚えておらず初対面の対応だった。しかし、コッパとアスカは子供時代の2作品で行動を共にしており、特に外伝ではシレン未登場の都合コッパとアスカで行動を共にしているのだ。該当作品経験者は、強く違和感を覚えたはず。
(ちなみに肝心のシレンは一言も発しないため、この時シレンがアスカを覚えていたかどうかは結局分からず終いである。)
2-2. マーモの場合
また、マイナーどころだが別の仲間マーモでも同様の事象が確認できる。
マーモはシュテン山の守り神マーモリ・ガーミの化身がタンスに宿った存在で、シリーズ唯一のタンス型の仲間。戦闘能力はないが、シレンのアイテムを「シューノー」してくれる。
タンス型の仲間自体前代未聞だが、こんなインパクトのあるキャラのこともコッパは覚えていなかったのだ。(シレンは相変わらず一言も発せず。)
ここでGB2の公式サイトを見返してみると「会ったのは子供のころだから、はたしてシレンたちは覚えていてくれるかな?」とさりげなく書いてある。今思うと、この一言も意味深に思えてくる。
シレン2の発売が2000年、その次に発売されたシレンGB2が2001年。連続のリリースであり、GB2でマーモが再登場した理由に繋がっているかもしれない。
コッパの謎 総括
以上2点を踏まえると、子供時代と青年時代のコッパが別個体である可能性が浮上するのである。
シレンスタッフによる回答
過去に行われたシレン5ディレクターの醍醐頼希氏への質問企画で、醍醐氏は謎1「シレンとコッパのコンビ期間が一致しない」について「実は矛盾していない設定があるんですよ」と回答をしている。
実は矛盾していない設定があるんですよ。内緒ですけどw(醍醐) #shiren5 RT:@ice_kai:@chun_shiren そういやシレン2とシレン1のコッパの矛盾は聞くのは野暮でしょうかね。
— chun_shiren (@chun_shiren) December 31, 2010
また、謎2についてもシレン6発売後のファミ通インタビューでシリーズシナリオを一貫して手がける冨江慎一郎氏が「これは設定の間違いではなくて、そうなっている理由があるのですが、まだゲームでは描かれていません。」と語っている。
ニンテンドードリーム 2024年 03月号でも、同氏は「シリーズにはシレンの大きなターニングポイントがあるが、そのエピソードはシレン5までのシリーズではまだ触れられていない。」「ゲーム性を考えるとそのエピソードはなかなか触れられないなぁと思いつつ、いつの日かやれるといいかなというぐらいの感じで思っています。」と述べている。
シレンスタッフの回答を踏まえると、いずれの謎も明確な理由があるもののシリーズ中でまだ語られていないのが実情の様だ。
考察:「空白の7年間」で何かが起きた
子供時代と青年時代には空白の7年間があり、この間でコッパ(シレンも?)に何かがあったことは明確。
以下、具体的に何が起きたかを考察してみよう。
考察1 コッパ死亡説(=青年時代のコッパ2代目説)
SNS等で一番メジャーな説。
一般的なイタチの寿命を踏まえると、確かにこの7年間で寿命を迎えてもおかしくない。
- ニホンイタチ: 2年弱
- イイズナ: 2-4年
- オコジョ: 4-6年
- フェレット: 6-12年
ただし、シレン2の公式設定資料本『ひみつの巻物』の4ページで語りイタチの「寿命が長く、100才以上若々しい姿で生きている」設定に触れている。なので、一般的なイタチの寿命は一旦忘れてよさそうだ。
また、単純な死亡説だと一部違和感がある。あくまでアスカやマーモに面識自体はない態度をとるものの、一部場面やセリフに対してコッパが既視感のある振る舞いをするのだ。
青年時代のコッパが2代目であれば、この言動はおかしい。
シレン3では過去作のボスキャラが総出するが、子供時代のボスとして外伝のラグーンが登場する。その際、コッパはラグーンのことを明確に覚えている。詳細は割愛するが、外伝のボスなのでコッパと面識がある反面、シレンとは面識がない。
以上のことから、「子供時代と青年時代のコッパは、一部の記憶を共有している」と言える。
考察2 コッパ記憶喪失説
管理人推しはこっち。個体自体は同一だが、子供時代の記憶を一部失っているという説。
2〜外伝の間でシレンとコッパは互いの修行のために別行動をしており、外伝では作品中一切シレンが登場しない。つまり、外伝後にシレンとコッパが再会するまでの過程が描かれていないのだ。
したがって、仮に「外伝クリア後もアスカとコッパが行動を共にしており、その最中に何らかの理由でコッパが記憶を失う」→「その後コッパがシレンと再会したのが初代シレン開始の半年前」だとすれば、コッパ視点ではシレンが初対面なので「コンビを組んで、はや半年」の出来上がり。
シレン視点では「コンビを組んで、もう8年以上(空白期間あり)」だが、彼は作中で言葉を発しないのでその事実が語られることがなかったと考えれば説明がついてしまう。
仮説が正しければアスカもその理由を知っているため、再会時は「そういえば、そうだった・・・」と落ち込んでしまう。片やマーモの場合はその経緯を知らないため、そこまで深く触れなかったと考えれば辻褄が合う。
ちなみに、シレン3でもアスカは登場するが、その際にコッパは初対面の素振りをしない。
シレン3が2008年、シレン6が2024年リリースなので、シレン6にアスカが登場するまでの16年間、この点はマーモへのリアクションと比較すると矛盾点だった可能性がある。
しかし、アスカとマーモの人気差が圧倒的過ぎて話題に挙がりづらかったのだろう。
余談: アスカの年齢
話は逸れるが、6のアスカ22歳に対して、3は24歳で実は2つしか違わない。
アスカ的には22歳で「ござる」はOKだが、24歳ではNGだったらしい。22歳で桃まん棒振り回して「わーい!」も、よくよく考えるとアレだ。
おわりに
コッパの謎を解明するに当たって鍵となるのは先述の「空白の7年間」。
そして、次のナンバリングも偶然にも同じ7!
つまり!シレン6はシリーズ中マイナーだったコッパの謎を明確に提示した上で、次回作シレン7で解決するための布石だったんだよ!
と最後に懐かしのMMRネタをぶち込んで本記事は完結とする。
6 DLCや次回作7で真実が語られるかは不明だが、シレンファンは謎が解き明かされる時を末長く待ち続けよう。
もし今後時系列上初代シレンより過去の作品が出る場合、間違いなくこの謎が解明されるはずだ。
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